インドやエジプトを旅してきた人々は慣れているだろうが、ヨーロッパからいきなりモロッコに来た旅人なら絶対に思うであろうこと。
「モロッコ人めんどくさい!!」
観光地で外にいると意味もなく声をかけられるわ、勧誘されるわ、何か売りつけられるわとイチイチ構っていたらめんどくさいこと極まりない状況が続く。
「こんにちは!」「Excuse me.」「ニホンジン?」「Hi my friend!」とかもう聞き飽きたわ(笑)
まあ、5つ星ホテルに泊まってツアーでばっちり回るならそんなことはないだろうが、それ以外の人は少なからず経験するだろう。
でも、ここまでやられると逆に彼らに近づいたらどうなるのか気になる。
…というわけで、
あえて誘いにのりまくって何が起きるのか試してやりました。
時間に余裕を持たせて、お金はほとんど持たずに行けるところまでどんどん突っ込んでみた(笑)
そこでわかったことをちょっとまとめてみる。
【声をかけてくる人はどんな人か?】
外国人慣れをした若者~中年男性。
冷静に考えるとこの気づきがすごく大事だと思う。
声をかけられて「モロッコ人ウザいなあ。」とモロッコ人をひとくくりにするとこの国が嫌になってしまうが、実は外国人と関わらずに生活している人の方が圧倒的に多いわけで。
ローカルで生活している人や高齢男性は声かけてこないし、女性は宗教から考えてもありえない。
そして、声をかけてくるときは英語と日本語。
つまり話せない人はコミュニケーションが取れないから声をかけてこない。
実は、普段感じる印象は相当少ない人々によって構成されていたのかもしれない。
(逆に言えば何か困った時に頼るべき人々もわかってくる。)
【声をかけてくるときのパターン】
大きく三つ。
①からかう
特に用はない。こちらの反応を見て楽しむ暇な人々。
こちらの反応次第では②~③になる。
②強引さで短時間に小金を稼ぐ
荷物をバスに乗せる、道を案内する、ホテルを紹介する、レストランに勧誘する、小物や食べ物を売るなど。
最初はお金の話をしないが、声をかけてくる時点でタダということはあり得ないので、必要ならお金を払う覚悟でお願いすればいいし、そのつもりがないなら断ればいい。
色々ごまかしながらこちらに関係ないことへ誘導しようとする者も多いが、嘘は基本的につかない。
あやふやにしていることをしっかり指摘し、きっちり回答がない場合は即断ればいい。
~20DH(200円)くらいの話が多い。
③細かなテクニックと時間を費やしてがっぽり稼ぐ
高価な物を売るためにかなり練られたスキームを持っている。
あまり慣れていない人は早い段階で切り上げたほうがいい。
知らない間にどんどん逃げ道を消されて、何か買わないといけないプレッシャーに押しつぶされる。
【③の展開内容】
何人かとやり取りしてみると手順はほぼパターン化していることに気づく。
1、助けたい、もしくは交流したいことを伝えてくる
ガイドや物売りでないことを強調しながらあくまで穏やかに近づいてくる。
身なりも他者に比べれば少し小奇麗にしている場合が多い。
2、身分を明らかにする
こちらが声をかけられるのにうんざりしているのは承知なので、あれやこれやと準備したトークを繰り広げる。
学生だというなら学生証、公認ガイドなら免許証、ミュージシャンならみんなの前で歌っている動画など、安心材料を見せてくる。
中には日本人女性と結婚していると言ってその写真やメッセージのやり取りを見せてくる者も。
これらはぱっと見では本物かどうかわからない。
3、無料であちこち案内すると言う
無料だと念を押しながらローカルな場所を案内すると何度も訴えてくる。これは確かに本当である。
4、実際に何か所か案内してくれる。
有名な場所から、観光客が入らないような場所(子供向けコーランの学校やパン屋、民家など色々)まで2~3か所案内してくれる。
色んなモロッコ事情から、こちらが質問したことまで基本的に何でも話してくれる。
5、地元の人々と挨拶したり立ち話をする
周囲からもちゃんと知られた人という印象を抱かせてくる。
何かあってもみんな知っているわけだから、これで身の危険は感じなくなる。
6、こちらの情報を取りつつ、売る商品を決めて動機づけてくる。
滞在期間や友人の有無、モロッコにどの程度精通しているか、何に興味があるかさりげなくどんどん聞いてくる。
何も考えていないとここで色々情報を渡して後々不利になる。
そして、フェズからの砂漠ツアーがいかに他の地域よりいいのか、後で行くお店の革製品が政府管理のいかにしっかりした物か、近くにある地元のハマムがいかに良心的で楽しいかなど、地元民からの意見としてあれこれ教えてくれつつ動機づけてくる。
これらに対する反応を見て行き先を変える者もいれば、後々別の者から紹介される商品が変わってくる。
ただし、彼からは売り込みはあまりしてこない。
7、お店にたどり着いて違う人にバトンタッチ
たいてい親戚がやっているお店か政府公認のお店と言い、自分も入り口で待ってるからと安心させたうえでそのお店の人に案内をバトンタッチ。
8、周囲に誰もいない場所で平均価格の5~15倍の金額で商品を売る
お店の人と話しながらいつの間にか周囲に誰もいない場所に連れて行かれ、商品を売り込まれる。
熱心に説明するだけあって物は多少いいのかもしれないが、だいたい相場の5~15倍。
断ろうとする理由をどんどんつぶして、なぜ買わないのかという雰囲気にさせていく。
決めセリフは「じゃあいくらだったら買ってもいいと思えるか書いてくれ!」。
これにのってしまうと少なくとも買う意思があることを示して引きづらくなる。
9.とどめを刺すのはガイド
しばらくすると入り口で待っているはずのガイドが登場。
あくまでこちらの味方をつらぬきながら相談にのってくれて、こちらの限界ギリギリのところに着地させようとする。
最終的には「俺がもう少し安くするように言ってやる!」が決めセリフ。
【まとめ】
というわけで、「ガイドは味方、お店の人は商売人」という構図を終始崩さず、あらゆる方向から商品購入に追いやっていく展開がわかった。
一番の学びは「決して強引な売り込みではなく、筋の通った売り込みをしている」と知ったこと。
ガイドからは約束通り決してお金を要求されないし、身の危険を感じないような工夫もしてくる。
本音としては味方と思わせてお客を誘導するためなのだが、表向きは味方のように振る舞う。
商売人はあくまで理詰めでお客の買わない理由をつぶし、売りたい商品を売りたい値段で売るだけ。
冷静に考えれば商売人なら当然だろう。
下手な相手だと途中で強引さが出てしまってけんかになりそうになるが、うまい人は強引さをあからさまにせず、精神的に追い詰めてくる。
強引に売りつけて、もし売れなかったら後になってチップよこせだのなんだの言ってくるかと思ったが、そんなこともしてこない。
もちろんこちらがちゃんと対応しているからで、彼らをむげに扱ったら話は変わるだろうが。
慣れていないとつい感情的に相手を悪者として扱ってしまいがちだが、本音で何を考えているにせよ、建前としては悪者要素は一切ないのだからそんなことはしてはいけない。
強引にお金を出させるわけでもないし、約束も守っている。
かわし方についてはここで書くと長くなるので省くが、ポイントは「理詰めには理詰めで」(笑)
一連の流れの途中途中に布石を打っておいて、こちらが断る理由を否定できない状態に持っていくかここで強引に説得するより後でもっと大きなお金になりそうだという期待を抱かせる。
今回は最終的にどの人ともしっかりと握手して笑顔で別れることができた。
本音はどう思っているかわからないけど、まあ、そこはお互い様でしょと(笑)
結局一円も使わず。
むしろチップくらい渡したいなと思った人もいて、渡しそびれて申し訳なくなった時もある。
というわけで2日間にわたって色々やってみた(笑)
お互い探り合いながらやり取りしていくのはエキサイティングだったけど、もうやりたくないな。
やっぱり何も考えずに楽しむのが一番だ(笑)
ちなみに、フェズで声をかけてきた数十人の中、何も意図がなく純粋に接してくれたのはたったの1人だけっていう(笑)
yohei
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